事故の相手に対して「お前の方が悪いじゃないか!」って叫びたくなる時ってありますよね。
とはいえ、被害者の信号無視とか、高速道路で寝てたとか、飛び降り自殺の落下点にいたとか、そんな加害者に全く非の無いような事故であれば大声で「お前の方が悪い!」と叫べますし、こういう場合はだいたい点数も無しになって事故という履歴さえ残りませんのであまり問題になることはありません。
しかし今回の御依頼は交差点での死亡事故で御依頼者様は右折の乗用車で被害者が直進のバイクです・・・ということは教習所でも習う『右直事故』というタイプですね。
そして交差点の優先順位で言えば御依頼者様は劣位側、つまり直進側の被害者が優先です。
普通に考えれば加害者の方がかなり悪くなるものですが、こんな場合に被害者が速度超過をしていたならどうでしょう?
この場合右折側は当然安全確認して右折しますが、対向車線側の車に対しどこまでの注意義務を払わなければならないかという問題が生まれます。
制限速度内で良いのか、社会的な許容範囲としてある程度超過している場合も想定しなければならないのか、一方で完璧に制限速度内だったらそもそも事故時に現場にはいませんね・・・でもだったら死亡事故起こしていいのかという話にもなりますし、安全運転義務違反は事故を起こしたという結果に対する違反ですので2点という点数が決まっている以上、そして死亡事故の点数が加害者にも多少なりとも落ち度があるなら13点で合計15点が確定するんだから、それに対して意見を言うべきだという説ももちろんです。
また検察官や聴聞官によっては被害者を叩くことを無反省と受け取る場合もあり感情的に対立してしまう場合もあります。
こんな時にまず考えなければならない点は都道府県ごとの特性です。
御依頼者様の住所地は死亡事故の軽減率はネットでは日本でもトップクラスに厳しいと言われているところですが、僕の感覚では普通、ただしスピード違反に対して厳しい評価をするところで、免許取消の決め手がスピード違反の場合は軽減率が非常に低くなるところでした。
ただ大きくプラスに働く点として【事故原因にスピード違反が含まれる場合に非常に厳しく評価する】がありますので、これを反対の立場として考えれば被害者のスピード違反をより悪質なポイントとして採用してくれる可能性が他の住所地よりも高いということです
ただし被害者のスピード違反については具体的に何キロ以上がダメと定められているわけではなく、実際には多少の超過はそれほど問題にならないことが多いですし、今回はかなりの超過速度だったとはいえ真正面から叩くには現場の警察官との間の信頼関係も含めて少し念入りにプランを立てる必要がありました。
そして今回は事故直後から御依頼を頂いていたとはいえ予算の都合でフルサポートではなかったため『何もかも全部盛り』というわけにはいきません。
ですので最後の意見の聴取に同行することを起点として、そこまでの行動や要所要所の動き方、そして僕の方からのサポートを続けた結果、
刑事処分に関しては不起訴(罰金や懲役は無し)
行政処分に関しても予定通り180日の免許停止に軽減されました。
今回も最良の結果をお届けできて良かったです。
右直死亡事故
免許取消を免許停止に軽減成功
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