格闘技で大切なことは『強いこと』ではなく『強くなったこと』そして『その強さを律することができること』だと思います。
強いだけなら才能とか体の強さとか、元々持ってる能力である程度実現できてしまいます。
極論すれば体が大きいというのもそれだけで才能です。
もちろん強さという結果を出していることは素晴らしいことですが、それは格闘技を興業的な面で見た場合の価値観だったり、人との比較によるものでしかありません。
繰り返しますが、アスリート=競技者として考えるなら強さは最上級の価値です。
トップを取っているならそいつがどんなに人間的にアレでも強さそれ自体に価値は存在します。
しかし、日常の世界、あるいは競技ではなく自己修養という意味の武道的な側面を見た場合、最も大切なのはどれだけ成長できたかだと僕は思います。
そして成長したことを実感してもそれに奢らず感謝の気持ちを忘れず礼節をもって接することができるなら、それは正しく格闘技という暴力手段を精神性にまで引き上げ『自律している』といえるはずです。
僕の身近でそんな武を実現しているのがヒデズキック所属の松本さんです。
見た感じは優しそうな感じです。
先日出場した試合後の集合写真でも「ヤンキー学校の教頭先生みたいだ・・・」とネタにされるほど見た目から良い人感があふれてます。
しかしこの写真に注目してください。
松本さんは前列真ん中、左側の白いシャツの方です。
賞状を持ってますが、これはベストテクニック賞で、この日表彰された2人のうちの1人がこの松本さんという訳です。
アマチュアとはいえキックボクシングのような打撃も、柔道やレスリングのような投げ技も、もちろん関節技も、立ち技でも寝技でも攻防が途切れることの無い総合格闘技のリングで20歳以上若い選手と全力で打ち合うわけです。
開始直後は打撃で多少押し込まれる場面もありました。
セコンドのプロ選手はタオル投げようか躊躇した場面もあったほどです。
しかしダウン寸前から打ち返し、さらに相手をテイクダウン(転ばせること)、このまま流れを変えるかと思われたものの相手も若さと勢いで一気にひっくり返しまた劣勢に!しかし更に体勢を入れ替え、最後は腕十字固めで一本勝ち!!!!
会場で見ている人は恐らく驚愕したことでしょう。
しかし、ジムメイトたちにとっては「実力通りの結果がきちんと出た」が正確な感想で、いつも道場の練習では最軽量ながら、僕らのようなプロクラスの選手にも挑んでいき、何度も倒されながら身に付けた確かな技術は自身の得意分野なら大学レスリングの有力選手を完封するほどです。
打撃にも積極的に取り組みます。
レスリングの試合にも出場します。
練習の出席率も高いですし、なにより格闘技を楽しんでいる感じが伝わってくるんですよね。
そして僕も初めてお会いしてもう数年になりますが、新しい技術にも積極的に取り組み40台も後半にしてなお強くなり続けているのは【継続して努力できる才能】の表れだと思います。
それでも謙虚な姿勢は変わることなく、後輩たちへの面倒見もいい優しい先輩です。
そこらのチンピラを一蹴できる強さを持っても、試合で結果を出しても、何ら調子に乗ることも無く、謙虚に力を律することができるのはアスリートである前に武道家であり、そんな人間性に周りも感化されているからこそ練習にセコンドにとみんな付き合い、UFCに出場している世界のトップ選手も松本さんの試合を見に来てくれるほどです。
僕にとっても生涯スポーツとしての格闘技を実践しているという意味で尊敬できる大先輩なのです。
行政書士内村特殊法務事務所
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