先日「農業の将来性」というのを語る人と話したんですが、
彼曰く「経済が崩壊するような事態に陥ったとしても食を制している人が強いんだよ。」とのこと、戦後の貨幣価値も崩壊したような時代であれば食べ物に困らない農家は確かに強い立場だったかもしれませんね、火垂るの墓でもそんな場面がありました。
しかし、そういう考え方自体おめでたいと思います。
利益率が高いとか、
新技術を投入することで業界をリードできるとか、
この味が好きとか、
そんな今現在から近未来の有用性や、自分の好きという感情を第一に考えた場合食を制するというのは人間の根源的な欲求ですから効果的だし素晴らしいと思います。
しかし非常時の備えで食を制するという考え方は僕はどうかと思います。
そういうことを言う人はおそらく戦後すぐくらいの日本人の気質を基準に考えているんだと思いますが、仮に今後、経済すら崩壊するような世界になったとしたら・・・それってもう北斗の拳とかマッドマックスの世界ですよ。
そんなモヒカン野郎がヒャッハーしている世界で「食い物が欲しかったら俺の言うことを聞け」なんて言ったら種モミ奪われて焼き殺されるか、奴隷を使った農場の中間管理者として搾取されるだけです。
地主レベルの農家が裕福でいられたのは食料の備蓄があったからではなく私兵という暴力装置の裏付けがあったからです。
本当の非常事態に最後に役立つものは生物としての強さ以外にあり得ないのです。
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