僕が仕事を始めたころ、勤務先の上司から『金は足元に落ちている』と言われていました。
「人の弱みに付け込むなんてひどいな・・・自分はそんなひどいことはしないぞ」と、まだ青かった中学生の僕は思っていました。
そんなある日
駅で強烈な便意に襲われました。
しかしそんな時に限って紙はありません。
そこでトイレ入口で燦然と輝くティッシュ自販機・・・しかも100円、ティッシュの値段としては強気極まる傲慢(と当時は思った)価格になんかもう「嫌ならいいよ(笑)」「たかが100円で尊厳が買えるなら安いもんだろ?」とまるで自販機が僕をあざ笑うかのようでした・・・
もはや選択の余地を失った僕は財布を開けるとそこには見事に小銭がありません。
自販機はまた「使えるのは100円玉だけね(笑)」「どーする(笑)」と僕の準備不足を挑発します。
人間切羽詰まると凄い行動力を生むもので
通りがかりのサラリーマンに両替を頼みましたが、正確な値段は忘れましたが持ってた小銭は1000円に足りません。
僕は「その100円玉、この1000円で売れ!」みたいなことを言って何百円かを受け取り自販機にin!
一瞬の安堵もつかの間・・・出てきません・・・万事休すか?いや社会的に死ぬならせめてこの自販機野郎は道連れにすべきではないかと危険な考えが頭をよぎったものの、購入レバーをガチャガチャしまくったらちゃんと出てきてなんとか事なきを得ました・・・
僕はその時この上司の言ったことを痛感しました。
確かにこの場面ではたとえ法外な値段だと感じたとしてもティッシュを買わざるを得ない・・・
しかしそこからいくつかの考えにも至りました。
自販機から出てきたティッシュはかなりの量で結構余りました・・・ということはこれを半分の量にして7割くらいの値段で売ったら買いやすくなる?・・・いや70円だと払いにくいから3分の1の量で50円なら不安な人は2~3個買ってトータルはもっと売れるんじゃないか?
というよりもこの自販機をもっと小型化してトイレの個室に付ければ急なアクシデントにも対応できるな・・・その場合は設置コストか・・・
だったら個室を有料にしてトイレットペーパーを常に補充しているようにすれば足りない心配もないし時間制にすれば長時間こもる奴も減るんじゃないか?
そんな感じで一つの出来事からいくつかの考えが派生した時に、足元を見るのは弱みに付け込むといういみだけはなく、困っているポイントに対してサービスを提供する方法を思いつくきっかけでもあるのか・・・と腑に落ちた感じがありました。
法律を扱う仕事はそもそもの発端が依頼者の困りごとですし、世の仕事のほとんどは【できないことを実現する】か『やりたくないことを代わりにやる』なんですから、足元を見るという言葉を悪い意味で使うのではなく、サービスを発見するきっかけにすることが【金は足元に落ちている】という言葉の本当の意味なんだと思います。
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