僕は漫画レビューを書くとき、基本的に完結している漫画か、もしくは序盤１～２巻くらいの部分で、途中経過のような感想は書かないのは中盤の話だと前巻を呼んでいないと意味不明だったり、あるいはネタバレだったりするからです。

しかしそれでも自分の大好きな漫画をお勧めしたいと思って禁を破ってでも描くべきなのがこちら

【バトルグランドワーカーズ】3巻です。

以前に１、２巻の感想は書いています。
世間的には来てないけど好きな人はきっと大好きになる漫画

僕はこの漫画に関して
『最高に面白い』と感じています。

1巻ラスト『努力は裏切る、でもそれが分かってからが本当の勝負』の言葉は2巻で一気に加速し、3巻ではポジション的には序盤のボス級との戦闘ですが、単騎でこちらを全滅にできるような相手に対し、超人ではない凡人たちが自分たちにできる事、勝つためにやるべき当たり前のことを当たり前に積み上げていく、裏切るはずの努力をそれでも積み上げ、あるべき結果を手繰り寄せるために構築した理論とそれを実践していく様は『一人が欠けても勝てない』チーム戦の重みを見せつけてくれます。

そこに個々人の背景だったり、こういったバトルものではあまり触れられない整備側の心情もしっかり盛り込み、作品としての厚みと深みも増していると思います。

WEB漫画が隆盛の昨今は、お笑いでショートコントが流行っているように瞬発系の作品の方が突発的な人気は出やすい気がしますし、スマホで読むことに適した構成(コマ割りなど)の方が【読みやすい】ではなく『読まれやすい』という現実はあります。

練りに練ったストーリーや重厚な人間模様を描くことはともすれば早い段階で飽きられる可能性だってあるわけで、それこそ1巻末の『努力は裏切る』ことになるのかもしれません。

しっかり読むべき漫画は読み手の力量をも測ることになるのかもしれませんが、けして難解なテーマではなく、意識高い系が喜ぶ雰囲気漫画でもなく、描き手の力量伝わる王道漫画ですので、漫画好きの方には前作『辺獄のシュヴェスタ』と合わせてご一読いただきたいところです。

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