僕はレザーアイテムが好きで暑い時期でなければ県警本部でも革ジャンや革パンで行ったりします。
そして牛や山羊、あるいは水牛や羊など、衣類に使用する革は結構酷使されてもその傷が味と言われますし、補修を重ねて『一生もの』ともよく言われます。
僕の革ジャンや革パンも基本的にオーダーで作りますが体型の変動はあっても常に一定の枠の中に入っているので買い替える必要もなく、損傷は補修して長く使えるのでむしろコスパは高いです。
そして同じくレザーアイテムとして
財布などの革小物もあり、僕はエイの革が好きなのでお財布などはエイ革で作ってもらっています。
ちなみにエイの革は尋常でないほどに頑丈で通常の使用では傷が付くことすらありませんので、カビなどの腐敗さえ予防すれば(質の良いものであれば)特に何の手入れもしなくても100年以上は持つとか・・・ちなみに奈良時代の宝剣の柄(持つところ)に巻かれていたものは現代でも色は抜けているものの鱗の剥がれすらありません。
ただエイ革はあまり一般的ではなく、
世間的に高級品といえばクロコダイルでしょうね。
僕もクロコ製品はいくつか持っていますが、やはり色気というか・・・僕の印象としてはエロい素材だと思います。
とはいえ革は素材の品質がとても重要なので、ただでさえ貴重なクロコダイルはハイブランドがワニの養殖場から押さえてたりするので高品質の素材はなかなか市場に出回りません。
なので僕らがオーダーする時は素材探しの時点で時間がかかったりするんですが、それだけに完成した時の所有感もひとしおです。
そんな時に出会った本がこちら
『クロコダイル製品を買う前に読む本』です。
こちらは国内でもトップクラスのクロコダイル製品を扱う会社の社長さんが、基礎知識やクロコの魅力などについて業界人の目線から語った手引書です。
なるほど、一般的にクロコダイルと呼ばれているものにも実はいろんな種類があることや、原皮からの加工の重要性など基本を押さえた良い本だと思います。
ただ僕が感じたのは、もちろんクロコダイルが好きだからこそ大切にしたいという気持ちもわかりますが、道具>人間という構図ができてしまっているように感じます。
例えば『(財布を)コンディションを最良の状態に維持して使っていくためにもお尻のポケットに入れるようなことは厳禁』という記述があったんですが、お財布の存在意義というのは何かと考えた時、僕は最も重要なのは『使い勝手』だと思っています。
ここでいう使い勝手というのは言葉の意味よりやや広く、
持つたびに嬉しくなる所有感というのも含まれると思っています。
そして財布はお金を出し入れするものですから出し入れしやすいように使うのはむしろ自然なことだと思います。
もちろん表皮の美しさを最も長く維持できるようにバッグに専用スペースを作って使うなら、そして連日の使用ではなく1日使えば休ませるようにすれば更にダメージも少なくできます。
ですが、これはある意味暴言と受け取る人もいますが、
最終的に死んでしまうということは変わりません。
オーナーか道具か、お別れというのは必ず訪れます。
僕の場合ですが大好きだからこそ何回も使いたい、壊れたら治して使いたい、常に触っていたい。もちろん構造的に治せない損傷というのは存在します。
大きな部分を交換してしまえば、物体としての連続性が無くなった時点でもう別物と考える人もいます。
これは本当に個々人の考え方ですが、僕が道具に求める美しさは機能美です。
車なら性能や機能の証としての形状で、それはアスリートの体がその競技に最も適した形に進化あるいは深化するようなもので、もちろん容姿が最上の価値という人を否定するつもりはありません。
しかし車で見た目の美しさだけで完成ならば、床の間に飾っておくのが最良の使い方ということになります。
お財布でも同じです。
僕はどんな逸品も使うための道具である以上『使わなければ付かない傷』が付くことによって完成、それは自分が一緒に過ごした時間を共有することで【自分の宝物】が完成するんだと思います。
『一生もの』という言葉はただ一生使えるという意味ではなく
『自分の一生に歴史として残ってくれるもの』だと思っているからこそ、目一杯使って目一杯手入れをするのです。
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