大晦日は〆の挨拶ですので、
仕事関連のブログとしては今日が年内最終となります。
さてさて、
今年も色んな事故や違反を扱ってきました。
僕はこの仕事に携わって現在28年になりますが、毎年物凄く実感することがありまして、
それは年を追うごとに免許取消対象者の中に、明らかに知的レベルの面で運転してはいけない人が増えてきているのを実感することです。
ここで僕の事務所が依頼を受けるまでの流れを例にとると、メールや電話でお問い合わせをいただき、相談日のスケジュールを調整、実際の相談、適切な行動に移行するんですが、この最初の問い合わせの時点で会話が成立しない人の割合が年々増えているのです。
つまり御依頼を頂いた方についてはあまり変化は無いものの、それ以外の処分対象者に関しては明らかに『運転させてはいけない人』の割合が増えています。
具体的には
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10
と数字を並べるとしましょう。
ほとんどの人はこれを『1~10前の数字が並んでいる』と認識します。
しかしある種の人たちは1から読んでいくと4とか5くらいまで読んだ時点で1から忘れ初め、10に届く前に『忘れ』が現在地を追い越してしまい、今何をしているか忘れてしまうのです。
これは『新しい刺激を瞬間の記憶として止めることができなくなっている状態』とも言えます。
また、ここで指摘する人の特徴として『もともと知っている言葉は認識できますが、新しい言葉は認識できません』これは上記の数字でいうと、初めて見る言葉も読みながら同時進行で忘れていくので最終的に文字と意味がつながらなかったり読んだこと自体を忘れてしまったりするのです。
ちなみにこういう人の特徴として電話で会話ができません。
少し前に話したことをど忘れすることは誰でもありますが、こういう人の場合は話したこと自体も忘れていますし、話の途中・・・というより単語の途中で自分の行動の瞬間記憶が途切れてしまうので、たとえば「明日午前10時に行きますね。」という言葉を伝える時に「明日午前じゅ・・・・」という感じで途切れてしまい、また全く違うことを話し始めます。
聞く方も同じで「明日午前10時に来るんですね。分かりました。」と返すところを途中まで話した時点で「え?え?明日午前じゅ?じゅって何?」と、その文字が全体で意味を成していることを把握できていません。
意見の聴取や聴聞の出頭通知書には説明が書かれていて「自分の意見を述べることができます。」と明記されています。
しかしこういう人にとっては「自分の意見を述べることができます」という文字列を言語として認識できず、呼ばれている事や違反内容の記載から自分が何をしたのか、あるいは免許取消に該当しているのだということは分かるものの、そこで何をするのかという説明の部分は文字を読むことはできても意味を理解することができないのです。
この状態はある意味老化にも似ています。
昔のことは覚えているのについさっきのことは忘れているような感じです。
でも普通の老化ならゆっくり読んだりじっくり考えたりしながらで対処は可能です。
ただこういう人は残念ながら、体が弱っているわけではないのでスピードが遅いわけではありませんし、自分の状態を把握していないのでその状態をおかしいと気付かず、このブログの記事のような文章も読むことができません。
既に覚えていることはできるのですからいつも通りの仕事やいつも通りの生活ではそれほど支障はありませんし、運転しなければ事故を起こすことも無いでしょう。
しかしこの状態がさらに進行すると赤信号を見て「止まろう」と思った後、視線を正面に戻すと『赤信号を見て止まろうと思った事』を忘れてしまい、そこが初めて通る道だったりした場合、信号のある交差点だという認識も無いまま突っ込んでしまうこともあると思います。
ただこういう人たちは最終的にはそういう事故で死んでしまうので、あまり情報として広まることもありません。
繰り返しになりますが、このブログ記事を読める人は問題ありませんし電話ができる人も問題ありませんので、御依頼として受付ができる人は『能力的には問題が無い人』ということになります。
しかし意見の聴取や聴聞の会場にいると、10年位前には1会場に1人いるかどうかだった『こういう人』が、大都市圏では確実に数人以上、全体の割合としても5%前後はいるように感じます。
運転を含め何もかもが簡単にできる世界になったことで新しい刺激に対する感受性を失ってしまう人がいるのかもしれませんが、現実にいるのは仕方ありませんので、こういう面からも自動運転車というのは早く普及させるべきだと思っています。
また、たとえ免許取消に該当したとしてもちゃんと運転できる能力のある人であれば免許取消が軽減される資格は十分にあると思っていますので、内村事務所は2021年も軽減されるべき人がちゃんと軽減される『行政処分のあるべき姿』を追求していくのです。
運転免許取消処分の回避&軽減専門で30年!
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