今回ご紹介します漫画はこちら
『鬱くしき人々のうた 実録・閉鎖病棟 』です。
著者の卯月妙子といえば自身の精神病を隠さず、
漫画やエッセイのネタにする逞しさ・・・というより危うさに満ちた人物で、壮絶な生い立ちもある意味自分でそこに突っ走っていった感さえある・・・まぁ本人曰く『私はキチ〇イ』です。
そしてこの本が企画されたのは2003年、実に18年もの製作期間を経て世に問われた問題作です。
というのも執筆中にも卯月氏は何度もおかしくなって断筆したり自殺未遂したり入院したり・・・
ただそれでも創作者としておかしい自分を客観視するなかで、おかしいことは分かってるのにどうしようもない苦しさに苛まれる描写はかなり精神的に来るものがあります。
僕自身の経験でいうと
警備会社に勤務している時に精神病院への移送業務というのをやったことがあるんですが・・・正直なところこの世の地獄だと思いました。
本人は錯乱、家族は耐えられない・・・なんなら移送中にうっかり殺してくれと言われたこともあります。
病棟に入ると他の患者に遭遇することもありますが、みな一様に明らかに普通ではない状態で恐らく会話も不可能です。
しかしロビーなどにいるのはまだ比較的まともな人ですが、それでも意思疎通ができない=一瞬後に何が起きるか分からない怖さを常に感じます。
ここで描かれるのはそんな世界の内側にいる人たちですが、
・・・まぁ一般的な感覚で『まとも』ではありませんし、ほとんどの人が自分がおかしいという事を分かっています。
※本格的におかしい人は患者同士接点も持たされない
苦悩する人、受け入れる人、その周辺の人々、スタンスや関わり方は様々ですが
そこから伝わってくるのは「死にたい」と思っていても尚『生きたい』と願う切な感情、そんな奇麗事ではない、社会とは相いれない狂った人の苦悩を味わう良書だと思います。
多少読むのに体力のいる一冊ですが(^_^;)
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