「今一番好きな漫画は?」と聞かれたら
『アスミカケル』と答えます。
個人の好みという事が前提とはいえ
ヒロインが可愛い!つまりヒロインが可愛い!
眼鏡&ギザ歯&マッチョなヒロインが度肝を抜かれるほどツボ過ぎる・・・・
まぁそこはビジュアル面での好みということですが、
本編のリアルさが良いというか、ある程度格闘技を指導する立場になったから見えてくることですが、
バトル漫画やスポーツ漫画はリアルに寄せると地味になります、かといって派手にするとファンタジーになります。
異世界転生などの剣と魔法の世界ならそれも良いですが実在スポーツを描くなら匙加減が非常に重要になってくるのです。
そういう意味では本作は地味といわれるかもしれません。
主人公は武術家の祖父から手解きを受けているのでスポーツとしての格闘技とは異なる技術体系もすでに持っている状態からスタートしますが、だからといって謎技術で無双できることもなく、現代総合格闘技に上手くアジャストして自分なりの勝ちパターンを構築していく最中です。
ただその祖父も認知症を患いいろんな部分があいまいになっているものの、長年の修練は技術の衰えを見せず、同世代と比べても体の健康度でいえば比較になりません。
そしてそんな祖父からの手ほどきに嫌気が差し、日の当たる舞台で自分が強いことを証明したくて家を出た兄、
ここで『格闘技を始める動機』として主人公の《強くなりたい》と兄の【自分が強いことを証明したい】という対立軸ができています。
また健康な体を持っていなければ人生を楽しめないという老人問題にも切り込んでいますし、そんな祖父を介した兄弟の想いも良い柱になっています。
また少年漫画では骨折くらいは怪我のうちに入らないのも常とはいえ、本作では関節技を取られた際にタップ(参った)しない美学を真っ向から否定していますが、これも僕が初心者に指導する「タップすることは恥ずかしいことじゃない、それもまた怪我をしないことの護身の一つだし、今現在の自分の弱さを受け入れられる強さだよ。」の実践でもあると思いました。
更に主人公たちを導く大人がちゃんと大人の仕事を果たしているのも大きく「親御さんがお子さんを安心して通わせられるジム」あるいは日常と非日常の境をしっかり描いているのも好感が持てますし、命を削って戦う選手を興業の道具にしか見ていない汚い大人ももちろんいます。
そしてプロとして戦いたいと思いながらも今現在の生活との狭間で揺れるベテランファイターなど、格闘技の光と影のコントラストも素晴らしいです。
もちろん前作【火ノ丸相撲】からの絵柄は文句なしで、組技の展開も多い総合格闘技だからこそ『体のどこがどうなってるかがちゃんと分かる』画力は感嘆しますし、古武術を現代格闘技の融合というのもリアル一辺倒ではなく漫画としての面白さもアクセントとして加えています。
ただ古武術の技の中にも実際使えるものはたくさんありますし、組み合わせることで新しい発見も今現在最先端でも生まれているのですから、ある意味一週回ったリアル感でもあると思います。
しかしそんなアスミカケルですが、週刊ジャンプの読者層には渋すぎるのか、あるいはヒロインの可愛さがお子様には理解できないのか掲載順はやや後ろの方です。
長期連載になるためには週刊ジャンプでは人気順=掲載順という傾向があるので前の方に行かなければなりません。
週刊少年誌という媒体ではじっくり腰を据えて読む漫画は好まれないのかもしれませんが、
これから格闘技を始めたい人に、あるいは今現在取り組んでいる人に、そして現役を離れた人に対して一読してほしい一作だと思います。
運転免許取消処分の回避&軽減専門で30年!
内村特殊法務事務所:内村世己
URL:http://www.seiki-office.jp/
東京都新宿区歌舞伎町2丁目45-5永谷ビル703
TEL:03-6356-7386 直電歓迎 090-9232-8731